自分が普段設計している住宅の、床高(地面から1階の床までの高さ)は通常597mmです。基礎の上に通気パッキン、土台、根太、下地合板、床材を敷き並べていくと自然とこの高さになります。
大体600mmの地面との高低差は自分としてはちょっと高い様な気がする、もう少し高低差が小さいとより屋内と屋外のつながりが感じられる様になるのではないか、といつもぼやっと考えるのですが、その疑問解消の為にリスクを冒してまで施主の家で実験するかと問われると尻込みしてしまう課題です。
基礎の高さを最小まで抑えて、床下空間に人が入ってメンテナンス出来る事を諦め、外周部分の配管配線を基礎下から取り回ししない事を検討できれば、どうやら372mmの床高が可能ではないかと考え(1階床を剛床とすれば更にもう少し低く出来るが、配線でかなり苦労するので却下)、自宅で採用しました。
普段より200mmほど低くなった床の高さで、屋内外の高低差が縮まり、少しだけ一体感が増えた感覚がしたら実験成功なのですが、現状は普段見慣れた高さから低くなってなかなか見た目としては快適です。
家自体の全体高さも200mm抑えられるので、近隣への日影配慮となるとも思いますし、普段採用している床下エアコンの効き方に普段と違う変化があるかもしれないと思います。
デメリットは、床鳴りしても直す方法がなかったり、床下で配線してコンセントなどを増やすこともできない、床下浸水が懸念されるエリアではお勧めできない、などなど手放しで施主に提案できる手法ではないのですが、まずは自宅で試験的導入です。
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